徹底比較 先物取引 先物取引を始めてみたい方、必見!
先物取引の基礎知識
先物取引ってどんなもの?
上場商品と取引所
先物取引のメリットとリスク
取引のルール
取引を始めるには?
知っ得!五箇条
ネット活用術!
先物会社、銘柄選びのポイント
取引にかかるお金
上手にこなすワザ!
もし相場が予想に反したら?
先物取引の用語集
差金決済
証拠金
追証(おいしょう)
建玉(たてぎょく)
ザラバ取引
板寄せ取引
損切り
限月(げんげつ)
納会日(のうかいび)
立会(たちあい)
約定値段(やくじょうねだん)
呼値(よびね)
枚(まい)
値幅制限
建玉制限(たてぎょくせいげん)
先物取引の基礎知識
農産物や工業生産物を商品取引所で取引する、株より大きなお金が動く。何となく知っているけど実際はどうなの?という方へ、まずは基礎知識から!
Point1 先物取引ってどんなもの?
<先物取引の特徴>
1. 期日を決めた取引の価格を、現時点で決める
2. モノがなくても「売り」から始められる
3. 期日までに差額のやり取りで決済する

 先物取引とは、「将来の一定期日に現品の受け渡し、または決済を行うことを約束して、その価格を現時点で決める売買取引」のことです。

 普段の買い物などでは、例えば「200円のパンを買う場合、200円を支払ってパンを受け取る」というように、代金と品物をその場で交換しますが、先物取引では、今日(現時点)の価格で、1年後など将来のある時期に品物と代金を交換する約束をします。そして、約束の期日までにいつでも反対の売買契約をすることで差額を清算し、商品の受け渡しをせずに取引を終わらせることができます。
 例えば、今年は凶作で農産物の値段が上がりそうだと思えば、小豆やトウモロコシなどを「買い」、取引の期限までに実際に値上がりした時点で「売り」に出て差額を受け取るわけです。
 要するに、その品物の値段が将来上がるのか下がるのか、予想が当たれば利益が出る仕組みです。値上がりを見込んで買っていたものが値上がりすれば売って利益を出し、値下がりを見込んで売っていたものが値下がりすれば買い戻して利益を出すのです。
 ほとんどの場合、実際には品物の受け渡しを行なわず、差額だけをやり取りします(=差金決済)。このため、品物を持っていなくても「売り」から始めることができるのです。
 普段の買い物では品物の代金分のお金が必要ですが、先物取引の場合は総代金の10分の1程度の資金で取引できる仕組みになっています。

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Point2 上場商品と取引所
 商品先物取引は、国が定める公設市場で行なわれています。商品先物取引のルールを定めた「商品取引所法」に基づいて設立・運営されている全国7カ所の商品取引所があり、様々な商品が上場されています。
 取引所では、資格を持った「取引員」が売り買いの注文を競り合わせて先物価格を決めていきます。取引所によって扱っている銘柄が異なるので、銘柄の特徴などをよく調べてから自分に合ったものを選び、取引を始めるようにしましょう。

■ 全国7カ所の公設市場と主な上場商品
●東京工業品取引所 金、銀、白金、パラジウム、アルミニウム、ガソリン、灯油、軽油、原油、ゴム
●東京穀物商品取引所 大豆、小豆、とうもろこし、コーヒー生豆、砂糖(粗糖、精糖)
●横浜商品取引所 生糸、じゃがいも、野菜
●中部商品取引所 ガソリン、灯油、軽油、鶏卵
●関西商品取引所 大豆、小豆、砂糖(粗糖、精糖)、冷凍エビ、コーヒー指数、国際穀物等指数、生糸
●大阪商品取引所 ゴム、アルミニウム、ニッケル、天然ゴム指数
●福岡商品取引所 大豆、小豆、とうもろこし、ブロイラー、精糖
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Point3 先物取引のメリットとリスク
<メリット> ・小額資金で大きな取引ができる
・値下がりでも利益を出せる
・現金がなくても有価証券で取引ができる
<リスク> ・元本保証なし
・投資額以上に、大きな損失が出ることもある
・希望する取引が行なわれない場合がある
  (値幅制限建玉制限

◆ 最大の特徴は"ハイリスク・ハイリターン"

<メリット1> 小さな資金で数十倍規模の取引ができる
 先物取引では、総取引代金の5〜10%の資金(証拠金)で10倍、20倍もの取引ができます。例えば1g=1400円の金を1kg買う場合、現物取引なら140万円が必要ですが、先物取引なら6万円で取引できます。
 資金は6万円でも実際は140万円分が動くため、少しの値動きで元金が大幅に増えることもあれば、逆にマイナスになることもあります。予想が当たれば大きな利益が出ますが、予想が外れれば大きな損失となるわけです。

<メリット2> 値下がり局面でも利益が狙える
 株式や不動産では値上がりを見越して買うことで利益を狙いますが、先物取引ではそれに加え、値下がりを見越して「売る」ことができるのです。そして予想が当たって値下がりすれば、それを買い戻すことで利益を出すことができます。

<メリット3> 現金の代わりに有価証券で取引できる
  国債などを現金の代わりに預託して取引ができます。評価額は有価証券によって違いますが、配当や株主権利は維持しつつ、現金の代わりとして活用できます。

◆ 安全、確実の保証はない!

<リスク1> 元金保証ではない
 これは先物取引で最も大きなリスクでしょう。予想が外れた場合の損失が大きくなるので、預託した証拠金が足りなくなり、追加を求められたり、損をした状態で清算したりすることもあり得ます。

<リスク2> 資金がマイナスになることもある
 株式や不動産では、相場が下落して投資額がゼロになればそれ以上の損失はありませんが、先物取引の場合は少ない資金で大きな取引をするので、投資額以上に大きな損失が出る場合もないとは言えません。

<リスク3> 希望する取引が行なわれない場合がある
 先物取引では急激な価格変動による混乱を防ぐため、1日の値動きの幅を制限する「値幅制限」、商品や取引期限によって取引できる枚数が制限される「建玉制限(たてぎょくせいげん)」などの仕組みがあります。
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Point4 取引のルール
 先物取引には証券取引などとは違う独特のルールがあります。取引を始める前に、ルールをよく理解しておきましょう。ここでは特徴的なものを紹介します。

◇ 取引には期限がある
 買ったものを売る、または売ったものを買い戻す「反対売買」で取引を終了する商品先物取引には、最長1年の取引期限が設けられており、原則としてこの期限までに決済しなければなりません。
 この期限の月を「限月(げんげつ)」といい、最終取引日のことを「納会日」といいます。限月と納会日は各取引所で銘柄ごとに定められており、納会日までなら商品の受け渡しをせずに自由に売買ができます。

◇ 銘柄によって違う取引時間
 上場商品の値段は、各商品取引所での「立会(たちあい)」で決まります。立会は、土・日・祝祭日、年末年始の数日間を除く毎日、各商品市場ごとに一定の時刻を決めて行なわれており、「ザラバ取引」「板寄せ取引」とがあります。
 ザラバ取引は9:00〜11:00、12:30〜15:30に継続的に取引が行なわれるもので、この時間帯の中で「売り」と「買い」が合えばいくつもの取引が成立します。証券取引などはこの形式です。
 一方、板寄せ取引は、1日のうちに何回か、立会が行なわれる時間が決められており、その時間に売り手と買い手が競り合って価格を決める方法です。「売り」の数と「買い」の数が合うまで値段を上下し、1回の立会につき1つの値段が決められます。これは日本の商品先物市場独特の方法です。

◇ 先物独特の取引単位
 商品先物取引では、独特の単位で取引が行なわれます。商品取引所で決められる価格は「約定(やくじょう)値段」といいますが、この約定値段の対象となる数量単位(=呼値)は銘柄ごとに決められています。
例えば、金は1g当たり、銀は10g当たり、といったようにです。
 さらに、売買単位(=)も銘柄ごとに決められており、例えば、金1枚は1000g、銀1枚は60kgなどです。これが最低取引単位となります。
 また、金や銀、大豆など同じ銘柄でも扱う商品取引所によって1枚当たりの数量は違ってきます。とうもろこしは呼値が1tですが、東京穀物商品取引所では1枚=100t、福岡商品取引所では1枚=50tとされています。自分が売買する商品取引所ではどうなっているか、事前に調べておきましょう。
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Point5 取引を始めるには?
 個人投資家が先物取引を始めるには、商品取引所の会員である「商品取引員」に取引を委託します。「商品取引員」は、証券取引でいう証券会社に当たり、個人ではなく株式会社などの法人をさします。

◇ 参加は基本的に成人なら誰でも
 「商品取引員」への委託は、日本国内に住む成人(学生を除く)なら、基本的に誰でもできます。しかし、取引経験や年齢、資産状況、理解力を考慮するなど審査基準は企業によって違い、株取引の経験が必要な場合も多いようです。これは、"ハイリスク・ハイリターン"の取引であるが故に考慮されているものといえます。

◇ 取引開始までの手順
 取引を始めたいと思ったら、「商品取引員」である取引企業(先物会社)に資料請求をしましょう。この時、契約書類と一緒に商品取引所法で義務づけられている法定交付書面「受託契約基準」「商品取引委託のガイド」が送られてきます。まずはそれらを読んで十分理解し、納得した上で必要書類を作成するようにします。
 自己責任・自己判断によるに委託取引を約束をする「約諾書」や、連絡先などを通知する「通知書」、「口座開設申込書」などに署名・捺印し、「商品取引員」に返送します。この時、本人確認書類(住民票など)を添付するほか、所得を証明する書類の提出を求められることもあります。
 ここまでの手続きが済めば、取引を始める準備は完了です。

◇ 取引の流れ
 先物会社との委託契約が済み、実際に取引したい銘柄が決まったら、いよいよ取引開始です。流れとしては、

証拠金の
預託
売買取引
の注文
取引所
での売買
決済 証拠金・
差益金の
返還

といった感じになります。

 証拠金を預託するのは、具体的に売り買いの注文を出す時で構いません。口座を開いたからといってすぐに取引をしなければならないわけではないのです。まずはどの商品がいいか、じっくり選ぶところから始めましょう。「自己判断・自己責任」が原則ですから、自分で納得し、決断することです。
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